幸せに縛られた32歳独女
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『幸せに縛られた32歳独女』

彼氏に冷たくされたからと、小学2年生の女の子を刺してしまった32歳独女がいる。
強烈な八つ当たりだ。
「以前見かけた、幸せそうな家族の子どもを狙った」と供述した。
コレ、他人事じゃ無いよ。
道行くラブラブカップルやハッピーファミリーに、心の中で毒づいたコト、独女なら一度や二度はあるでしょ。
独友同士の話題にも、よく上るんじゃないの。
ただ、破壊したいまでは思わない。実行に移すなんて、とんでもない。
でも、実際にやってしまった独女が現れた。
幸せが憎い、手に入らないなら壊してしまえと。
事件は2010年5月17日午後3時ごろ、大阪市東住吉区の路上で起きた。
下校途中の女児が、友達と別れた直後、出刃包丁を持った女に滅多刺しにされる。
内臓まで達した傷もあったそうだ。
事件発生3時間前から、女は女児を待っていた。電柱に話し掛けながら。
そう、彼女は心神耗弱状態だったのだ。殺人未遂で逮捕、送検されたが、不起訴になった。
今後、鑑定入院をし、通院か入院かが決まる。
これだけ惨い他害を起こしたのだから、閉鎖病棟に入院だろう。
刑に服す代わりに、病気の治療を施される。
元々は真面目でおとなしい性格だという彼女が、正気に戻った時、何を思うか。
彼女は、看護師だった。
子どもの頃からの夢が叶い、命の大切さを知る職業に就いていた。
それなのに、人を殺そうとした。これに気付いたら、どうなるのだ。
再び、狂気の世界に身を置きたいと願うだろう。
恐らく一生、妄想と現実の狭間で揺れ動いていく。
一見、病気が引き起こした事件のようだが、私はそうは思わない。
彼女の中の「幸せ観」が原因だと考えている。
同じ病気に罹患していても、こんな凶行に及ぶ患者は殆ど居ない。
自らを殺す患者が圧倒的だ。
もう一度、記す。
病気が殺人未遂事件を起こしたのでは無い。
彼女自身のストレスが女児に刃を向けさせた。
彼女のストレス要因は、結婚だ。
事件直前に、両親から交際男性との結婚を反対されている。
その後、その彼氏は彼女と距離を置いた。それが、冷たいと感じさせたのだろう。
「彼の子どもを生みたかった」とも供述した彼女の幸せ観は、至極シンプル。
現代ではファンタジーと化している「幸せ」、良妻賢母に憧れた。
結婚+子ども+家庭=幸せ、この公式が崩れた瞬間、彼女は完全に壊れた。
思い描いた未来が消え、新たな構想が練られない。
焦りや不安、怒りが入り混じった感情をどこに持っていけば良いのか、判らなくなったのでは。
その感情を向ける相手を間違った。
何の罪も無い女児を傷付けるだなんて、理不尽極まりない。
ねぇ、彼女と同じ「幸せ観」を持っている独女って、多いんじゃないの。
割とリベラルになってきているものの、古い「家」というモノに無意識下で縛られている。
縛られたいと、どこかで願っているかも知れない。
自分の胸に手を当てて考えてみて欲しい。
あなたにとって「幸せ」とは何か。
その「幸せ」が崩れた時、あなたはどうするか。
この事件は、他人事じゃ無い。
ボタンの掛け違いで、あなたも、私も起こし得る事件。
被害女児の心と体の傷が、早く癒えるよう切に祈っている。
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