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外資系金融の人々★[第9回] 初任給50万、新人研修はビジネスクラスで

外資系金融 9

毎年4月は見るからに初々しい新入社員がやってくる。この月だけは、ベテラン社員たちもフレッシュな気持ちになれる。

新入社員の中にはアルマーニのダブルのスーツにピンクのYシャツ!サスペンダーといういかにも外資系金融マンといういでたちでやってくる奴がいた。

一体、どこでそんなファッションを覚えたのだろうか?まずは形からとでも言いたいのだろうか。なんだか意気込みだけは感じられる。

新人研修は、ビジネスクラスでNYへGo!

新入社員は入社後、ニューヨークの本社で2週間の研修がある。新卒採用は毎年20~30名くらいで、全員揃ってニューヨークへ向かう。

まだあどけない顔立ちの彼らにはエコノミークラスでも十分に思えるが、毎年、彼らにビジネスクラスが用意されるから驚きだ。

ニューヨークでの宿泊先は、グランドハイアットに決まっている。会社は、ビジネスクラスの飛行機代からホテルの宿泊代、食費に至るまで一切の費用を負担する。

しかし、彼らはいつまでも旅行感覚ではいられない。なぜならシリーズ7という資格を受験しなければならないからだ。

シリーズ7とは、米系証券会社や国内の外資系証券会社に勤務する際、最も基本で幅広い業務ができる証券資格の一つである。

このテストは東京でも受験できる。会社はわざわざ彼らをニューヨークまで呼んで受験させるのだから、彼らに対する将来の期待たるや計り知れないものがあろう。

私の部署には男性2名の新人が配属された。うち一人は私が直接仕事を指導することになった。彼は見た目が非常に若く、偏差値の高いW大学の数学科出。

聞くところによると、彼は他の大手米系証券会社からも内定をもらったが、最終的に初任給が高いということでこちらに入社を決めた。大学4年生の彼にとって、外資系金融はみなどこも同じに見えたらしい。

彼は初任給で50万円も受け取った。「お金が余って仕方ない」と少々困惑ぎみの様子だった。

彼はそこそこ仕事をこなし、お決まりのように六本木に引越して、外車を乗り回して派手な生活をし始めた。

スーツは、相変わらずアルマーニのダブル。一から仕事を教えてもらった私には頭が上がらないようだが、後輩にはかなり偉そうにしていた。なんだか笑える。

こうして今年も新人たちがやってくる。

※この記事は2010年8月21日に掲載されたものです。

>>「外資系金融の人々★[第8回] 帝国ホテルImperial towerで1ヶ月暮らす夫婦」を読む

編集部
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