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[第3回] 明日から無職!恐怖クビ切りの瞬間 ★外資系金融の人々

明日から無職!外資系金融マンが慄くクビ切りの瞬間

世間でも外資系金融ではすぐに首を切られるというイメージがあるようだ。

確かにそのとおり。しかし、その実態を詳しく知る人は殆どいないだろう。

私が某大手米系証券会社のディーリングルームで働いていた頃に体験したAさんの話をしよう。 私はAさんのサポート業務をしていた。

その日はいつも変わらぬ一日で、Aさんとたわいもない会話をしながら仕事をしていた。

しばらくすると、Aさんボスの部屋に呼ばれて席を離れた。そのため、私はAさんの代わりに取引をしたり、Aさん担当のお客と電話で応対していた。

ひとしきりすると、Aさんから突然の内線がかかってきた。
以下はAさんと私の会話である。

Aさん: 「あのさあ、俺のかばんとコート持ってきてくれる? 今、5番応接室なんだけど。」

私: 「いいですけど、どうしたんですか? ○○銀行さんが、コールバックお願いしますって。」

Aさん: 「もう俺、首だよ~!」

私: 「えっ! マジですか?(私も頭が真っ白に)」

Aさん:「たった今、ヘッド(ディーリングルームの最高責任者)とボス(上司)に言われたよ。で、そっちに戻れないから、かばんとコート持ってきて!悪いね。」

私: 「了解しました。とりあえず、すぐ行きます。ちょっと待っててくださいね。」

私は電話を切ってからもすぐに内容が理解できず、しばし頭が呆然となった。 Aさんのかばんとコートを手にとって、急いで応接室へ向かう。

解雇が告げられた時点で、Aさんはセキュリティーカードを没収されて、二度とデスクには戻れない。ディーリングルームへの立ち入りが禁止されるのだ。

私は応接室へ入ると、青ざめた表情のAさんがソファに座っていた。Aさんにかばんとコートを渡して、何だかまとまりのない挨拶を最後に交わして、エレベーターホールまで見送る。Aさんの後姿が、なんだかとても切なかったことを覚えている。

これは、Aさんがボスの部屋に呼ばれて会社を出るまでわずか1時間足らずの出来事である。

あの日以来、Aさんとは会っていない。奥さんになんて説明したのかが気になる。

ところで、Aさんのデスクに残された荷物はどうなるのか? 後でAさんの自宅へ宅急便で送るだけ。これもこの業界の慣わしである。

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(文=編集部)

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