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【涙活】3分で泣ける実話ショートストーリー「さよならゴハン」

1 : まきさん (30歳) 2019/09/10(火) 15:50
3分で泣ける実話ショートストーリー「さよならゴハン」

その連載記事に惹かれたのは、タイトルからだ。

「彼ごはん」

全くもってズバリの、彼氏に作る料理レシピだ。

男女共同参画が大前提の常識となった現在、
こういうタイトルにカチンと来る人もいるはずだろう。

でも、私は週一で載るこの記事を楽しみにしていて、
切り抜いてスクラップにまでした。

残念ながら私は現在恋人はおらず、
実家で六人家族の炊事を担当している。

「彼ごはん」は家族のために作っても良さそうなレシピではあるが、
作りたくないワケが私にはあった。

------

私に初めて、正真正銘の恋人ができたのはもう二十年も前。

生来の病の為に発育が遅く、
同級生の背中を追っていくだけで精一杯の子ども時代を過ごした。
また思春期にはいじわるな言葉を浴びたことは、今も記憶に残る。

自分は早く死ぬのだからと
フツウの夢さえ抱かずにいた高校・短大時代を経て、
その「春」を迎えた時の私の震える程の嬉しさを
想像してもらえたらと思う。

「君は、何もねだったりしないんだな」
と、物足りないような顔をした彼に言われたことがあった。

が、それは遠慮でもなく、私は本当に満ち足りていたのだ。
彼と同じ時間を共に過ごせるだけで。

彼が「お代わりっ」と私が作ったゴハンを平らげてくれること。
それ以上に望むことなど、なんにもなかった。

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でも、二年後の定期健診で私は病の進行を告げられた。

丁度、彼が他県へ転勤になった事と重なり、
私はある決意をして彼の下宿先を訪ねた。

「ここでの生活に落ち着いたら結婚しよう」
彼の言葉に私は絶句した。

息を詰めてうつむく私を、
きっと彼は驚きと嬉しさで言葉が出ないと思ったのだろう。
優しく抱きしめ、私の名を幾度も呼んだ。

翌日、彼が帰宅するまでに、私は彼の好物を作り続けた。
ゼロニンジンカレー、野菜コロッケ、ちくわのニンジン揚げ、厚揚げ煮。

そして、キッチンを片付け、タッパーに料理を詰め、
テーブルへ、まるで行楽弁当のように包み置いてその上へ手紙をのせた。

綿々と決意のいきさつを綴り、最後のおねだりと、こう綴ったことを覚えている。
「ありったけの愛を込めて作った、私の最後のゴハンを食べて、あなたは新しく生きてください」

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二十年も経った今でも苦しくなる。

実家で母や姉一家の為に台所に立つ度に、
彼のため小さなキッチンに立った時の事を思い出し、
哀しくもキュンとする。

「彼ごはん」には、あの人の好みそうな物がいっぱいある。

あれから、彼ごはんは一度も作っていない。
でも、いつか、まぐれと奇跡が重なって、
「彼ごはん」を作る日が訪れたなら。

そんな望みが微塵も無くなるまでは、愚かでも命在る支えとさせて欲しい。

あの人は今、何を食べているだろう。

「アイツの方が美味かったな」と思ってたら、なんて。

作:鈴木みのり(協力:あのころの味エッセイ大賞)

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元記事は「3分で泣ける実話ショートストーリー「さよならゴハン」」

読んだ方は一言でも残してくれると嬉しいです。
294 views
  • 2 : ricoさん 2019/09/11(水) 07:08 ID:5988
    思わず朝から泣いてしまいました。悲しくて大人のストーリーですね。朝から涙活させてもらいました^_^

  • 3 : Punchさん 2019/09/11(水) 07:33 ID:6020
    泣きました。切ないですね。その恋が成就して欲しかった。

  • 4 : 森のクマさんさん 2019/09/11(水) 07:51 ID:6032
    朝から素晴らしいストーリーが読めて一日頑張れそう。向田邦子の作品みたいだ。

  • 5 : ひかるさん 2019/09/11(水) 09:05 ID:6135
    切ないですね!!!
    いい話が聞けて心が洗われました。
    わたしも何かできることを頑張ろう。

  • 6 : i did itさん 2019/09/11(水) 10:16 ID:6160
    これ、素人の方が作った短編ですか?すごい!

  • 7 : まきさん 2019/09/11(水) 10:17 ID:6161
    >>6
    そうなんです。素晴らしいですよね。

  • 8 : ツチノコさん 2019/09/11(水) 10:35 ID:6165
    最後の一言の余韻が凄くいい味を出していると思います。

  • 9 : れいさん 2019/09/12(木) 09:33 ID:6373
    朝から素敵なストーリーをありがとう。
    実話というだけに作者さんのこれからの素敵な人生を歩まれますことを心から願っています。

  • 10 : 匿名さん 2019/09/12(木) 14:51 ID:6377
    いい話なんだけど、ちょっとモヤるなぁ。彼の立場からすると、相談もしてくれずに立ち去られた訳で。
    残された料理を彼も泣きながら食ったと思うし、愛を込めるのは料理よりも言葉だったんじゃないの?

  • 11 : かなさん 2019/09/12(木) 19:15 ID:6379
    今の時代ならクックパッドを開いてレシピを探すので、雑誌を切り抜くという考えがないので若い子には理解するのは難しいかもしれないですね。

  • 12 : これからさん 2019/09/13(金) 09:16 ID:6431
    作者さんは後悔はしていないのでしょうか?
    この作品を書いたということはもうご自身の中で納得いっているのかもしれませんね。
    別れた彼氏さんがどんなに辛かったことでしょう。

  • 13 : 匿名さん 2019/09/15(日) 14:58 ID:6851
    凄くいい作品ですね。涙はしませんでしたが、昔の淡い恋愛の思い出が頭に浮かんできました。

  • 14 : 匿名さん 2019/09/15(日) 22:00 ID:6955
    そこそこの作品ですね。素人にしては出来がいいと言うくらいのレベル。

  • 15 : Longさん 2019/09/17(火) 13:44 ID:7386
    実話なのでしょうか?とても良い話です。でも切な過ぎました。

  • 16 : まきさん 2019/09/17(火) 14:27 ID:7413
    >>15
    はい、こちら実話になります。とても切ない話ですよね。

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