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【毒舌独女】なでしこツイッター問題は他人事じゃない

一躍、時の人となった、
なでしこジャパン。

その足を引っ張るような「事件」が、7月20日晩に起きた。

DFの熊谷紗希選手が親しい友人が開いてくれた食事会に参加した所、その様子を初対面の男子学生に実況ツイートされてしまったのだ。

ツイートだけに留まらず、この男子学生は金メダルを齧っている写真まで
ツイッターで公開。

これを見つけた2ちゃんねるの住民が、「けしからん!」と激怒
スレッド(掲示板)が乱立する。

その後、一般紙やスポーツ紙、報道番組まで飛び火。
ワールドカップ開催国のドイツなど、諸外国でも報道された。

そんなコンナで、普通の人まで知る「事件」となった。

世間をお騒がせしたと、熊谷選手は21日にツイッターに謝罪文を掲載。
次の日には、囲み会見でも、謝罪をした。

佐々木監督も、管理不行き届きだったと謝罪。

男子学生が通う大学も、プレス向けに謝罪文を出し、事体は終息を向かえるかと思えた。

がしかし、2ちゃんねる住民の憤りは収まる様子は無く、現在(7月26日)でも、
この話題は2ちゃんねるの旬の話題として生き残っている

それは何故か。

理由の第一に、加害者である男子学生の謝罪が無いことが挙げられる。

震災後の大きな明るいニュースに水を差した張本人が出てこないことが、
2ちゃんねる住民の神経を逆なでしている。

通常なら、大学が謝罪をすれば、終わりの筈。

けれども、この男子学生が「燃料」を沢山、用意していた所から、2ちゃんねる住民は彼に親しみを抱いている。

この「燃料」と親しみが、「祭り」を終息に向かわせない、第二の理由だ。

「燃料」とは、個人情報を指す

男子学生はツイッターだけでなく、mixi、ブログもしていた。

ここから、男子学生のフルネーム、所属するゼミ、アルバイト先、果ては住所、
携帯電話の番号まで、簡単に割り出されてしまった。

画像も多く保存されており、男子学生の名前と顔は完全に覚えられている。

良い意味でも悪い意味でも、顔が知られるということは、ある種の親しみを生む。この親しみが、2ちゃんねる住民が「男子学生も謝罪せよ!」と息巻く要因となっている。

さて、これらの情報は、どこから入手されたのか。
実は、手間隙かけてネットの海から発掘をしたのでは無い。

男子学生自ら、mixとブログで公開していた
住所も携帯電話の番号も。

あまりにも危機意識が無さ過ぎる。
ネット社会の恐ろしさを知らなさ過ぎる。

男子学生の軽率な行いにより、熊谷選手だけでなく、大学、彼の家族、友人にまで被害が及んでいる。

これは極端な例なのかも知れないが、私がネットを徘徊して見ている限り、この男子学生と同じく、危うい情報を出している人は多い

生年月日にフルネーム公表、なんて、詐欺に使ってくださいと言っているようなもの。

女性の一人暮らしと思わせるブログに、最寄りの駅が書かれているなんてザラ。
顔写真まで公開している女性もいる。

会社の悪口を実名で出しているのは、名誉毀損罪に当たり、アウト。
その悪口が正論であっても、刑事事件にも民事裁判にも持ち込める。

親しい人しか見ていないだろうという気の緩みが、命取り

特に、会社での愚痴は、ネットに上げない方が良い。
不況のこのご時勢、何が原因でリストラ対象になるか判らない。

ブログ、ツイッター、mixiなどSNSを利用している人は、今一度、自分のプロフィールの確認をお勧めする。

また、一度、ネットに上げてしまった情報は、転載がいくらでも可能なので、半永久的に消えないというのも、肝に銘じておくべき。

これから、飲み会や合コンの際は、「ツイートしないでね」「実況しないでね」が合言葉になりそうだ。

世知辛い。

旭堂花鱗

コラムニスト/コンテンツライター

広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。

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