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【毒舌独女】AKB48襲撃事件から、日本人のモラルを問う!

いつか起きるであろうと囁かれていた事件が、平成26年5月25日に起きてしまった。

岩手県で開催されていたAKB48の握手会に暴漢が侵入し、メンバー二人とスタッフ一人に怪我を負わす。

花ざかりの若い女性の柔肌に、凶器であるノコギリの刃が食い込むなんて、想像しただけで涙が零れる。 こんな凶行に出た犯人の梅田悟容疑者への怒りも湧いてくる。

梅田容疑者の現在までの供述は、「誰でもいいから人を殺したくて、人が集まる場所を探した」だそうだ。

誰でもいいなら、何故、わざわざAKBのCDを購入して、握手会で並ぶのだ。
誰でもいいなら、屈強な男性でもいいではないか。

なのに、若い女性を狙った。
卑劣な犯行だ。

ただ、この事件程ではなくても、既にAKBのメンバーは相当な被害に遭っていた模様。
握手会で罵声を浴びせたり、体液を浴びせたりと、ファンはやりたい放題

これを放置してきた運営にも問題はあるが、やはり、「お客様」であるファンのあり方に、大きな問題があると、私は考える。

高度成長時代以後、「お客様は神様です」の意味を履き違え、金さえ払えば傍若無人な振る舞いをしてもOKと捉えている人が、どんどんと増えている。

つい最近でも、台湾で日本人女性が降りる筈だった停留所を過ぎたといって、バスの運転手を殴る蹴るといった暴行をしたというニュースが、海を渡って聞こえてきた。

これも、「お客様は神様です」の意味を履き違えた結果だと思う。

さすがに、殴る蹴るといったことまではしなくても、電車が止まっただけで、駅員に詰め寄る人は多い。
その駅員のミスではないのに。

「お客様は神様です」の元々の意味は、浪曲師であり演歌歌手であった三波春夫先生が、観客を神様に見立て、神様の前に立つ時と同じように、謙虚で敬虔な気持ちを以て芸に取り組むという意味で、おっしゃられた言葉だ。

その言葉が、どんどんと違う方向に進み、今では、クレーマーを増長させるものとなっている。

この際、ハッキリと言おう。
札束でAKBメンバーの頬を叩いて喜んでいるクズ共は、地獄に落ちるが良い

彼女らは乞食でない。
プロのアイドルだ。

ただ仕事をしているだけで、何故、このような理不尽な目に遭わなくてはならないのだ。

こういうことをしている連中は、金でしか自分は人の上に立てない、しかも、か弱い若い女の子の上にしか立てないと、無意識の内に判ってやっている。

本当は自分が弱い人間だと判っているからこそ、自分より立場の弱い人間を探す
それが、アイドルだったり、声優だったりする。

本来なら、人間関係は、対等である筈。
日本は特に、日本仏教の影響でささやかな個人主義があり、相手を尊重したら、自分も尊重してもらえる国だ。

なのに、この頃は、個人の尊重というものが薄れ、金ばかりが幅を利かせている。
これは、日本文化の破壊ともいえる。

今、一度、アイドルとファンの付き合い方を考え直し、同時に日本文化というものも見つめ直してもらいたいものだ。

旭堂花鱗

コラムニスト/コンテンツライター

広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。

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