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作者謝罪も逆効果!『あたしおかあさんだから』はなぜここまで炎上したのか?

幼児向け教育番組『おかあさんといっしょ』(NHK)で11代目“歌のお兄さん”を務めてきた横山だいすけ(34)の冠番組『だい!だい!だいすけおにいさん!!』(hulu)内で放送された楽曲『あたし、おかあさんだから』が引き続き物議を醸している。

「走れる服着るの パートいくから あたしおかあさんだから」「あたしおかあさんだから 眠いまま朝5時に起きるの」といった歌詞が理想の母親像を子持ちの女性に押し付けているとして批判が殺到した今回の事態。

なぜここまで炎上してしまったのだろうか。

謝罪文に批判殺到も、過剰な批判に擁護の声も

今月初旬からはじまったこの騒動。炎上を受け、作詞をしたのぶみ(39)は自身のフェイスブックに謝罪文を公開し、「僕は、そもそもおかあさんじゃないのでおかあさんたちにたくさん取材して書いた作詞なんです」と述べ、「この作詞をみてイヤな思いをしてしまった人、不快に感じた人には、本当に深く深くお詫びします」「もう一度おかあさんに聞いて書き直したい気持ちでいっぱいです!」と謝罪した。

謝罪文が掲載されたことで事態は収束に向かうものかと思いきや、まだまだ騒動は落ち着きを見せない。ガールズちゃんねるにも批判の声が多く書き込まれている一方で、必要以上と思われる批判の声を疑問視する声もあり、賛否両論が集まっていた。

「受け取り手のことを想像できない作家なんだとしか思わなかったわ。歌詞にされちゃうと、あてはまらない母親はおかあさんじゃないのかなってなるに決まってる」

「謝ったことで批判した人を“加害者”にしてるね。マイナスの感想があることを受け入れられずにごちゃごちゃ言い訳して、何が悪いか分かってないのに謝罪して、揚句『おかあさんに聞いて書き直したい』って、アホ過ぎてこの人自体が嫌いになった」

「でも少なくともこの曲が好きな人だっているだろうに、嫌なら聞かなきゃいいのに文句言う人にこんなに気を使って謝る意味ある?」

「そりゃあ大変だし我慢すること多いけどお母さんはあなたが大好きだからとっても幸せなんだよ、とかなら違ったのにね」

また、のぶみ自身は「おかあさんだから体験できたことを歌詞にしています」「おかあさんにエピソード募集して作ってます」と釈明しているが、そもそもその募集というのは、のぶみのツイッター上で投稿された「【あたし、おかあさんだから】ってガマンしてることある人、コメントしてください」といった内容。

「体験」と「ガマン」では意味合いも異なる。まるで子育てが母親の我慢の上に成り立ち、かつ歌詞の通りではなければまるでいいおかあさんではないという意味が言外に含まれていると感じた女性が多かったようだ。

謝罪後も続く炎上!その原因は?

番組自体を視聴しない独身層にまで広がったこの騒動。その原因について考察する声もガールズちゃんねるに書き込まれていた。

「『りっぱに働けるって強がってた』って歌詞がなければここまで叩かれなかっただろうね『女は自分が仕事できるって勘違いしてるんだよ!』って男目線がプンプンする」

「取材してもなんでも、男が母親のこと知った感じで書くのがイラッとしたんじゃない?女性が男の仕事のことを『俺さあ、父親だけど』って作ったら男性はイラッとすると思うんだよね」

子育て中の女性のみならず、独身女性や、仕事を頑張りながら子育てをしている女性からも批判が相次ぐことになってしまった今回の事態。子育ては確かに誰かしらの献身の上に成り立っているものであるが、多様化が認められている現在、我慢し続けなければならないのは必ずしも女性でなければならないわけではない。

一方で、子育て中の女性に対する社会の風当たりがまだまだ強いと感じる女性も多く、「子育てもしたいけど仕事もしたい」という希望が叶えられていない人もいる。歌詞中に登場する女性は出産前には仕事をしていたが、出産後はパートタイムで勤務しており、このことからジェンダーロールを押し付けられていると感じた女性も多いようだ。

時代と逆風を行く歌詞くわえ、子持ち女性の社会進出に関するデリケートな問題も含まれており、大炎上に発展してしまったこの問題。のぶみ自身は「もう一度書き直したい気持ちでいっぱいです」とつづっていたが、今後この歌がまた放送されることはあるのだろうか。いまだ注目は集まる。

 

福田綾子(ふくだあやこ)

フリーのウェブライターで主にエンタメ記事を手掛ける。映画、小説、ドラマ問わずさまざまなジャンルに精通。ネットサーフィンで情報を収集して旬の話題を見つけ、読者の目線に立った記事を執筆する。

編集部
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女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

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