もし不倫相手との子どもを妊娠したら?「認知」について弁護士が解説

最近では、「未婚の母」という選択する女性も増えています。自分が愛した人の子供ならば、どんな形でも育てたいと望むのではないでしょうか。しかし、その愛する人が「不倫相手」だったら、そしてその人との子供を妊娠してしまったら、あなたはどうしますか?産むかどうか、一人で育てる覚悟はあるかなど、決断すべきことがたくさんあります。

その中でも重要なのが「認知」。弁護士の正木裕美先生が、詳しく解説します。

「認知」とは、具体的に何をするの?

まず、「認知」とはどういうことなのでしょうか?

「未婚で出産すると、法的には父はいないとされ、子どもの戸籍には母の名前しか記載されません。この未婚の状態でも、父親である男性と子どもの間に法的な父子関係を作るのに必要な手続が『認知』です。もし彼が協力的なら、役場に届出をすることで認知できます」

しかし、全ての男性が認知してくれる訳ではないですよね?

「残念ながら、そうですね。認知すると彼の戸籍にも認知したことが記載されてしまうため、拒まれることも少なからずあります。そんなときは、裁判所の調停・審判や裁判で認知の請求をします。裁判では、DNA鑑定などで親子関係が認められると強制的に認知されます」

認知を請求する期限はあるのでしょうか?

「彼への請求は、彼の存命中は妊娠中・出産後・子どもの成人後などいつでも可能ですが、死後は3年までしか請求できません。また、妊娠中の認知には母の承諾が、子どもの成人後の認知には子ども本人の承諾も必要です」

「認知」のメリットとデメリット

では、妊娠した場合は認知してもらうべきなのでしょうか?

「いったん認知されると、法的に出生時から彼の子として扱われ、戸籍に父として記載されます。また、相続権や扶養請求権が発生し、養育費も請求できるようになるので、育児資金に不安がある場合は認知してもらった方がよいかもしれません。ただし、裁判所で認められる養育費は請求時からの分とされるのが通常なので、認知が遅れると貰えるお金は減ってしまいますのでご注意を。

ただ、不倫相手に認知をしてもらうことで発生するリスクも少なからずあります。それは、彼の戸籍から子どもの存在に気づいた奥さんからの、不倫の慰謝料請求の可能性が高まること。慰謝料額も、子どもの存在により結婚生活の平穏へのダメージが大きくなるので、単なる不倫より高額になる傾向があります。もし慰謝料を払わなければいけなくなっても、一部は彼に負担するよう請求できますよ。とはいえ、あなた自身の意思で彼と関係をもった結果の妊娠なら、内縁などの事情がない限り、彼への慰謝料請求は難しいでしょう」

では、認知しないことのデメリットはあるのでしょうか?

「相続できない、養育費がもらえないことに加え、ウワサ等で事実上の影響があることもあります。しかし子どもの将来を考えると、受験や就職などで戸籍謄本を提出することは通常ないので、デメリットはほとんどない思われます。住民票には『子』と書かれるだけですし、免許やパスポートなどにも認知の有無は記載されませんので、実際の影響はイメージよりずっと小さいと思います」

認知は母子にとって法的なデメリットはありませんし、認知をしないことで得をするのは彼だけでしょう。もし万が一、あなたが未婚の母になる場合は、大切な子どものために何がベストか、しっかり考えて結論を出してくださいね。

【正木裕美・プロフィール】

弁護士法人アディーレ法律事務所・所属弁護士(愛知県弁護士会所属)。身内の医療過誤から弁護士の道へと進む。2012年には衆議院選挙に愛知7区より日本未来の党の公認候補として出馬し、「衆院選候補者ナンバーワン美人」とインターネットや夕刊紙で大きな話題を呼んだ。現在は弁護士として、ストーカー被害、結婚詐欺やDVなどの男女トラブル、パワハラ・セクハラ問題まで、幅広い案件を扱っている。

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