いとこ婚 …いとこ同士の結婚の真実…メリット?それともタブー?
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いとこ同士の結婚「 いとこ婚 」とは?
日本では4親等以上離れていれば、直系ではない限り、血族同士の結婚が認められています。
そのため、いとこ同士が結婚をする「いとこ婚」も法律上可能なのです。
実は過去の日本では、この「いとこ婚」を経て夫婦関係に至ることは珍しいことでありませんでした。
古代の日本においても、異母兄妹の婚姻は認められており、天皇家をはじめとして多数の例が見られたのです。
なかでも平安時代以降の天皇は、藤原氏の娘と婚姻する事例も多く、必然的に近親婚という形が生まれています。
また室町時代から江戸時代初期においても、いとこ同士の結婚がタブーである、という考え方は広まりませんでした。
身分が限られた中で自分と近しい立場や同じ地域に住む人同士が結びつくケースは実際とても多かったようです。
とくに昔は身分という限られた範囲で婚姻相手を探す必要があるため、どうしてもいとこ間の結婚のような近親婚は、避けることができなかったようですね。
いとこ同士で結婚した国内の有名人たち
芥川比呂志(あくたがわ ひろし)
出典:wikipedia.org
芥川比呂志は日本の俳優であり演出家です。芥川龍之介の長男としても有名ですよね。
妻は、龍之介の次姉でであるヒサの長女で、従姉にあたる芥川瑠璃子。
随筆家である芥川瑠璃子と1937年12月に結婚をしました。
色川武大(いろかわ たけひろ)
色川武大は小説家でエッセイストでありながら雀士でもあります。
「離婚」で直木賞を受賞しました。その色川武大は1970年、母親同士が姉妹の黒須孝子と暮らし始めます。
1973年には孝子と結婚。孝子は直木賞受賞作「離婚」のモデルにもなっています。
菅直人(かん なおと)
出典:菅直人公式サイト
菅直人は政治家、弁理士。第94代内閣総理大臣も務めています。
1970年の冬に姫井伸子と結婚。いとこ婚となることから、姫井家と菅家の両親族から大反対されました。
両家で何度か開かれた家族会議も、日本の核武装について大論争が始まるなど結婚話はそっちのけ。
最後はみな疲れて寝てしまった、という逸話もあります。
岸信介(きしのぶすけ)
政治家、内閣総理大臣(第56・57代)
岸信介の妻・良子は岸の従姉妹にあたる。ちなみに第90・第96・97代内閣総理大臣の安倍晋三は岸信介の外孫。
いとこ同士の結婚の現実
1.何とも思わない、メリットもありそう
「嫁姑問題も心配なく、親戚付き合いがラクそう」
「夫婦ケンカをしても親同士が相談に乗ってくれそう」
結婚をして嫁姑問題で悩む女性が多い中で、いとこ婚なら元々血縁として繋がりのある女性が自分の義母になるため、嫁姑の関係性にもメリットがありそうと考えています。
また仮に夫婦ケンカをしても、元々親同士が兄弟という間柄であれば、一人で悩むことなく親たちへの相談もしやすくなり、夫婦関係の修復という点でもメリットが多そうです。
夫婦ケンカになり親も巻き込んだ……なんていう騒動も実話としては珍しくありません。離婚の回避だけでなく、相談しやすい間柄というメリットもいとこ婚にはありそうです。
2.子どもが先天的な異常を持って産まれる危険性が高まる
「血縁が近い関係の子どもは、障害児として生まれる可能性が高くなる」
いとこ婚とはいえ、結婚して夫婦関係になれば当然、子供を出産する機会もできてきます。
そこで気に留めておきたいことは、血縁関係が近い形で妊娠した場合、遺伝子が類似していることから障害児の子どもが生まれる可能性が高いといわれていることです。
英国の都市ブラッドフォードで行った研究の結果によれば、いとこ同士で結婚した場合、子どもの遺伝子に異常が生じるリスクは通常の2倍になるそう。
その調査報告は、英医学専門誌であるランセットより発表されています。
子どもを産むからには、当然親としての責任もあります。そのため、障害児が生まれる危険性が高まることに悩まない女性はいないでしょう。
また、妊娠中はただでさえ不安に思うことも多く、不安な要素は少しでも軽減しておきたいと思う女性心理もありますよね。
いとこ同士という血縁が近い関係の結婚だからこそ、不安を抱えるデメリットもありそうです。
3.近親相姦はタブー?
「近親相姦(きんしんそうかん)」とは近い親族関係にある者同士による性的行為のことをいいます。
海外には近親相姦を取り締まる国もありますが、現状の日本では近親相姦を法律で取り締まる制定はされていません。
しかし日本でも古くから近親相姦をタブーとする考えも存在しており、身分が分かれていた昔から近代にかけてその考えが広がってきたといわれています。
もちろん結婚する以上は、周りの皆から祝福されたいのが本音。
もし、 いとこを好きになったら結婚を考える?
「法律上、問題ないし何とも思わない」
「ただすごいと思うだけ。嫌悪感はなし」という意見もありました。
いとこ同士の結婚に対して法的な問題もなく、いとこの間柄で結婚することには何とも思わないのが大方の意見のようです。
しかし法的な問題はなくとも、周りの視線にも負けない二人の勇気ある行動についてはスゴイことだと感じているようです。
また、いとこ同士の結婚に対して嫌悪感を抱くわけでもなく、親戚の間柄に関わらず、二人の愛情が何より大切であり惹かれあう関係なのであれば結婚もありと考えているようです。
たまたま仲の良い親戚として育ってきた「いとこ同士」。
そんな幼少の頃の思いそのままに、意中の男性と結婚をしたいと望む女性もいるでしょう。
しかし「いとこ婚」には通常の結婚とは異なるリスク、負担が生じます。そのことをきちんと理解するだけでなく、二人それぞれの覚悟も求められるのです。
あなただったら「いとこ婚」についてどう考えますか?
いとこの関係とはいえ愛する人と巡り合えること、それは一生において何度も訪れることではありません。
しかし結婚となれば話は別です。もし「いとこ婚」という結婚の形を考える時、結婚そのものについても深く考えてみると良いのではないでしょうか。