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男女で違う「無理やり」の概念 押し倒されたい女性の本心とは?

《連載「となりのビッチちゃん」》

このコラムは、性や恋愛に対して前向きな女性をあえて「ビッチちゃん」と呼び肯定し、女性のライフスタイルの多様性を考えるコラムです。

前回に引き続き、「GIRL’S CH」で人気の女性向け動画にスポットを当てて、女性の隠れた性癖をあぶりだしてみたいと思います。

今回注目したいのは、隠れた人気の「無理やり」ジャンル。
「え、女性向けってソフトなんじゃないの?」と思っていませんか?
そこには意外な女性心理が影響しているんです。

男と女で「無理やり」の定義が違う!?

GIRL’S CHもオープンして4年が過ぎましたが、検索キーワードの上位ってほとんど変わってないんです。
もちろん好きな出演者で見るという方もいらっしゃるのですが、プレイ内容やシチュエーションでの検索が多い。

特に人気なのが「ラブラブなエッチ」「無理やり」
この2つのシチュエーションが人気ジャンルの上位に必ず入り、時には「無理やり」が1位となることもありました。

とはいえ、男性の皆さんには、「なんだ、女性ってそういう願望あるんだ!?」という早合点はしないでいただきたい!

この「無理やり」ジャンルって、私たち女性スタッフが内容を確認して「無理やり」と認定しているので、男性向けで言われる「無理やり」とちょっと違うんです。

男性向けでいう「無理やり」は、「女性が嫌がっているのに強引」とか「複数の男性で一人の女性を……」というものだと思いますが、こういった内容のものは、GIRL’S CHでは「ハードな描写のある動画」としてアラートを出すようにしています。

現在サイト上で「無理やり」と分類しているのは、「嫌だと思っていたのにその気になってきて受け入れてしまう」とか「いけないとわかっているのに許してしまう」というもの。
物理的なプレイではなく、精神的な背徳感などが、「無理やり」というジャンルということになるでしょうか。
(もちろん動画によってニュアンスが違ったりはしますが……)

「乱暴な男性」ではなく、「自分に対して欲情して我慢できなくなってしまう男性」に惹かれるのであって、つまりは異性に求められたいという心理の裏返しが、女性にとっての「無理やり」ジャンルの魅力ということなのです。

勘違いは危険!こんな「無理やり」は嫌われる

でも、そういう心理って女性自身がわかっていないケースが多いですし、だからこそ男性からの誤解を招いてしまうことも少なくありません。

「飲み会の帰りに、『遅くなったから送るよ』と男性にタクシーで送ってもらったことがありました。行き先は私の家。先に送ってくれるのかな?と思ったらそうではなかったんです……」

と語るのは20代後半の女性。
数年前に飲み会で「無理やり」迫ってきた男性と、イヤな過去があるようです。

「タクシーで二人きりになったら、急に相手が私の体を触ってきて。最初は服の上からだったんですが、下着にも手を入れられてしまいました。
確かに酔ってはいたけど、泥酔して抵抗できないほどではなかったんです。でも、当時は何されているのかよくわからなかったのと、タクシーというある種の密室に、恐怖で何も言えませんでした

そんなとき、タクシーの運転手は止めてくれなかったのでしょうか?

「何も。今思えば、カップルがいちゃついてるぐらいに思われていたのかもしれません。
私の家に着いたら、相手の男性も一緒に降りました。支払いのときも、運転手さんが何か声をかけてくれることはありませんでした」

断ることができなかった彼女は、そのまま男性を家にあげ、一夜を過ごしたそうです。

「当時はそんなものかと受け入れていたけど、今思いだすと苛立ちが止まりません。
こういうケースって、中には女性に落ち度がある場合もあるかもしれないんですけど、男性にも責任があることをわかってほしいです。
まだ何もわからない女性に、強引に言うことを聞かせるというようなことはしないでほしいなと」

男性は、「無理やり」の意味を勘違いしないように。
女性は、NOと言ってもいいんだと強く思えるように。
悲しい思いをしない女性がいなくなるといいのですが……。

文・田口桃子
女性向け動画サイトGIRL’S CHプロデューサー。女性メディアDOKUJOで「となりのビッチちゃん」連載中。普段あまり取り上げられない女性の性についてのリアルを世に広めることで日本のタブーに挑戦している。

田口桃子

GIRL'S CHプロデューサー。

2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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